釣り人口の推移
レジャー白書から釣り人口を見てみます。
2006年頃をピークに年々減少の一途を辿っているようです。
2020年から2021年にかけては10万人増えていますが、これはおそらくコロナ禍の影響でアウトドアレジャーが人気になった影響と思われます。
コロナ禍で密を避けて楽しむことができるレジャーとして、キャンプや釣りがブームになったと報道されていました。
これが原因で、一部の漁港にはマナーの悪い輩が増え、釣り禁止になってしまう釣り場が相次ぎました。
人気になるとこういった問題も出てくるという、なんとも考えさせられるニュースでした。
ちなみに、このコロナによる釣りブームの恩恵で、ある釣り具メーカーではこの期間売り上げが2割アップしたという情報もあります。
このブームに乗って始めたライトユーザーが、その後も趣味の1つとして継続的に釣りを楽しんでいるかどうかはわかりませんが・・・
総人口に占める釣り人の割合
総人口が年々減っているのだから、必然的に釣り人口も減少傾向なのは当たり前だろう。
そんなことを思ったので、今度は先のレジャー白書の釣り人口データと、総務省統計局の総人口データから、釣り人の割合(釣り人率)を求めてみました。
これを見ると、釣り人率(総人口に占める釣り人の割合)も年々減少傾向にあるようです。
2021年もコロナで釣りブームがあったとはいえ、「釣り人率」だけで言えばほぼ横ばいであったということが分かります。
要因はいくつか考えられます。
釣り場が消えた!
2000年代に改正されたソーラス条約の規定により、一定程度の規模の防波堤、漁港などの港湾地域の多くが立ち入り禁止という扱いになりました。
これはテロ対策等による措置ですが、これによってフェンスが張り巡らされ、今まで普通に釣りができていた場所で出来なくなってしまいました。
(川崎市の資料より)
このため、ソーラス対象ではないエリアに釣り人が集中する傾向になりました。
そして地域住民とのトラブルや、タバコやゴミのポイ捨てなどの問題が常態化し、立ち入り禁止措置を取る漁港が相次ぎました。
魚が減った!
70代以上の釣り人の方とよく話をする機会があるのですが、そのときによく聞くのは「昔はもっと釣れたのに」などという話。
これはおそらく爺ちゃんたちの昔の思い出補正的なものが多少あろうかと思いますが、気になったので昔と今とで魚の数は違うのか調べてみました。
驚くべきことに、1990年ころをピークに漁獲量はどんどん下がり、今では当時の半分以下。
近年では中国を筆頭にアジア諸国での漁業量増産が著しく、海洋資源の枯渇が危惧されています。
魚の数が少なくなっているという事実を、データとして見るとやはり悲しいですね。
釣りを始めたばかりの新規ユーザーでも、なかなか魚が釣れないんじゃ辞めちゃいますよね。
末永く釣りを楽しむために
釣り場ではゴミを持ち帰るのは当然のこと。
釣り場を守る意識をもって、要らぬトラブルを起こさぬようマナーを守って楽しみましょう。
また、釣った魚についても必要以上にキープせず、小さいサイズはリリースしたり、抱卵している個体も積極的にリリースし資源保護に努めましょう。