- ハタハタの生態
- 近年の漁獲量のデータ(全国版)
- 近年の漁獲量データ(日本海北部地方)
- ハタハタの生息水温「海水温度13度以下」が目安
- 大潮前後に接岸する(可能性が高い)
- 沖合ハタハタの魚体の成熟度で接岸時期が予想されている
東北地方や北海道などで盛んに漁獲されるハタハタ。
秋田県の県魚にも指定されています。
過去には2万トンもの凄まじい漁獲量を誇っていましたが、ここ数年では不漁が続き漁獲量は数百トン程度。
最盛期の数パーセント程度まで落ち切ってしまい、資源の枯渇を嘆く声も多く聞こえてきます。
ハタハタの生態
生息域は島根県のあたりから北の日本海、北海道の太平洋沿岸に分布しています。
普段は深海250~500mの砂底に身を隠して生活していますが、冬の産卵期になると沿岸に寄ってきてホンダワラなどの海藻類に産卵します。
この時期に沿岸に縄を張る漁を季節ハタハタ漁と呼び、秋田県をはじめ日本海沿岸地域の風物詩となっています。
寿命はおよそ5年ほどと言われており、生息海域によって非常に広範囲に回遊する。
近年の漁獲量のデータ(全国版)
平成27年の漁業・養殖業生産統計によると、ハタハタ漁獲量トップは兵庫県、2位に鳥取県、3位は秋田県となっています。
秋田県の名産として広く有名ですが、漁獲量は3位であることは意外ですよね。
秋田県ではかつて漁業による乱獲が問題視され、資源の枯渇を避けるため3年間の自主禁漁が行われました。
その後ハタハタ漁獲量は一応の回復はしたものの、昔の漁獲量には遠く及ばないような不漁が続いています。
近年の漁獲量データ(日本海北部地方)
(出典)秋田県ハタハタ資源対策協議会、秋田県水産振興センター
このデータを見る限り、やはり日本海北部地域においては秋田県がズバ抜けて漁獲量が多いことがわかります。
しかしながら、平成15年~平成21年頃をピークに、その後はじわじわと下がり続けています。
漁獲量が少なくなっている要因はいくつかありますが、その一つとして近年の海水温上昇が考えられています。
(出典)秋田県ハタハタ資源対策協議会、秋田県水産振興センター
これは秋田県における毎年の接岸時期(12月1日~12月31日)の直近5年間の漁獲量推移のデータです。
年によってバラつきが大きいですが、概ね12月上旬~中旬頃に漁獲量が大きく増えているのがわかります。
よって、ハタハタが釣れ出すのも12月上旬~中旬頃である確率は高いと思われます。
ハタハタの生息水温「海水温度13度以下」が目安
ハタハタは普段は深海の海水温2度前後の非常に低温のエリアに生息しています。
そのため、あまり水温が高いと生存できません。
およそ13度以下でしか生存できないとされており、海水温13度より高い場合は接岸しないと言われています。
11月下旬~12月中旬までの期間で大時化になり大幅に海水温が下がると接岸の可能性が上がります。
この時期は寒冷前線の影響で急激に冷え込み、本格的に雪も降りだす季節です。
古来の言い伝えでは雷が鳴り雪が吹き荒れるとハタハタが来る合図だといわれています。
大潮前後に接岸する(可能性が高い)
ハタハタは普段砂に潜って餌を待ち伏せている魚であるため、通常あまり泳ぎが得意な魚ではありません。
そのため、潮が大きく動く大潮の日に、潮の流れに乗って沿岸地域に接岸するとされています。
しかしながら、過去の記録をみると大潮の日と接岸日(初漁日)との相関性は薄く、必ずしも大潮の日とは限らないようです。
ですので大潮の前後の日であれば確立は高い、程度に認識しておけば良いと思います。
沖合ハタハタの魚体の成熟度で接岸時期が予想されている
ハタハタの寿命は4~5年程度といわれており、そのうち産卵期間はわずか1週間程度しかないといわれています。
冬季の季節ハタハタ漁よりも早く、沖合のハタハタ漁がスタートします。
沖合ハタハタは概ね10月~11月頃に盛んに行われています。
沖合ハタハタで捕獲されたハタハタの魚体から、季節ハタハタの接岸時期がおおむね予測できるようです。
秋田県庁の出先機関である秋田県水産振興センターでは、民間漁船の協力の元沖合ハタハタの成熟度を研究し、毎年季節ハタハタの接岸日予想を発表しています。
しかしながら、あくまで予想であるため、自然条件によって大幅に予想を外れる年もあります。